津山市糘山(すくもやま) 現地訪問
(08.7.13 訪問)

津山市糘山の西南麓に 鉄穴流し遺構があるということで、現地を訪問した。
訪問に先立ち、久米支所、津山弥生の里文化財センターで情報収集。親切に対応していただいた。文化財センターの学芸員の方からは1時間にわたり、お話を聞くことも出来、大変参考になった。

糘山鉄穴流し遺構報告書:
久米開発事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告 糘山遺跡群 V(久米開発事業に伴う文化財調査委員会 1980年3月発行)

(大蔵池南製鉄遺跡)

大蔵池南製鉄遺跡 
現在は、埋め戻されている。

(現地訪問)
鉄穴流し遺構群のうち、現在見ることができるのは「久米ふれあいセンター」西側の谷との情報で現地へ出かけた。遊歩道があり、歩いてみたが明確に、遺構とわかるものはなかった。ただ、谷は鋭く切れ落ち、不自然な崖状のところがあった。


「久米ふれあいセンター」西側の谷

(聞き取り内容)
神代地区の 亀甲、多汲屋で鉄穴流しの言い伝えがないか聞き取りを行った。
1)亀甲で田で働く方に、鉄穴流しの言い伝えがないか尋ねたが知らないとのことであった。
2)多汲屋でも、鉄穴流しの情報はなし。
ただし、多汲屋池北にある「金池」(?)の近くには、銅鉱山があったとのこと。


多汲屋池から「久米ふれあいセンター」西側の谷方面を見る

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上記報告書では、糘山鉄穴流し遺構は近世鉄穴流し以前の遺構であるとのことであるが、今回の現地訪問では確認できるものには出会わなかった。
本遺構は、鉄穴流し遺構ではなく「自然の営力による土砂流出の遺構と推定することがより妥当である」との意見がある。(「近世たたら吹製鉄の技術 −砂鉄採取法を中心として− 河瀬正利 : 「中国地方製鉄遺跡の研究」広島大学文学部考古学研究室編 渓水社 1993年)

(08.8.26)




岡山のたたら製鉄

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