広島県庄原市西城町 小鳥原地区 現地訪問
(08.12.10訪問)

「小鳥原(ひととばら)砂鉄精錬場跡」(大谷山たたら)を訪ねた。

(小鳥原砂鉄精錬場跡)
以下庄原市パンフより。
「わが国独自の製鉄技法である『たたら吹き製鉄』の代表的な遺跡です。昭和7年の調査で、『高殿』、『元小屋』、『銑破砕工場』、『砂鉄再洗場』、『落池』などの施設がまとまって確認されており、約500m離れて『大鍛冶場』跡もあります。大正7年の改築記録を有し、同10年まで操業が続けられて県内最後の製鉄場となりました。」

 
写真左 小鳥原砂鉄精錬場跡
写真右 谷の奥で拾ったかなくそ
跡地周辺には、かなくそはなかった。道路を100mほど谷奥へ入ったところの道路上ででかなくそを見つけた。谷川へ入って、かなくそを探したが谷川にはなかった。

(聞き取り)
精錬場を通りかかった車の方に、たたら製鉄、鉄穴流しのことをお聞きした。
1)かなくそは、ここのほかでも見つけることができる。
2)鉄穴流しのことは、きかない。
3)詳しい人が、坂根集落にいるので訪ねてみるとよい。

ということで、坂根集落の方を訪ねた。古老の方に、いろいろお聞きした。
1)精錬場跡は永代たたらだが、そのほかにも野だたらがおこなわれていた。この谷の奥。江戸時代。
今は、行ってもわからないだろうなあ。
2)我が家の前に、鍛冶屋があった。大きな「鉄さい」を拾っている。もし、欲しければどれでも持って帰っていいよ。(と、何度も勧められたが、5kg以上の塊だったので丁重にお断りした。)
3)鉄穴流しは、ここでは行われていなかった。
4)このあたりのたたらを経営していた鉄山師が居て、近在の人たちは雇われ仕事をしていた。

 
写真左 鍛冶屋跡から運んだ大きな鉄さい。左のものは、鉄分が多く、重かった。
写真右 同じく鉄さい 手前のバナナ状のものは、重い。あとのものは、軽い。

(坂根集落の奥の谷)
古老に聞いた「たたら跡」を探して1kmほど谷の奥へ入った。谷川でかなくそを探すと、数は少ないが落ちていた。

   
写真左 坂根集落の奥の川、天樋川。この川は、高梁川水系ではなく、日本海へ注ぐ。
写真右 川で拾ったかなくそ 乾いていないので、光っている


坂根集落のある天樋川の谷
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(付録)

小鳥原のソウズ
「昭和23年製。水流を駆動力として現役で稼働する、西城地域唯一の精米製粉用水車(『ソウズ』)です。木造で、何回かの修理を経ながら今日まで稼働を続けてきました。天然エネルギーを巧みに用いた先人の知恵を今に伝える貴重な民俗資料といえます。」

(08.12.13)



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