新見市 千屋実 実谷地区 現地訪問
(08.4.26訪問)

剣森山北側に実谷がある。その昔、たたら製鉄が盛んだったところで、阿哲郡誌には「二ヶ所」に鑪場あるいは鍛冶場があったとの記述あり。また、以前の聞き取りで「からはた」でもたたら製鉄がおこなわれていたとのことであった。
場所特定と、どんな場所か知りたくて現地訪問し、お話を伺った。

金くそ散在地が一箇所、見つかった。 80代の元気な方 「うちの裏に金くそが捨てられているよ!」

(聞き取り内容: 数名の土地のお年寄りに聞いた話のまとめ)
1)二ケ所、唐畑(からはた)は実谷の人家が途切れがちな上流にある。
2)実谷全体が、たたらが盛んだったことは聞いているが昔のことでどこで何が行われていたのかは知らない。
3)その昔大きな金くそ山があった。昭和30年代に県道を作る際にこの金くそ山を崩して道に敷いた。
4)屋号に「いもじや」などたたら関連の名前が多い。
5)このあたりの田は、鉄穴流しの土でできた田である。「かんなじた」と名前のついた田がある。
6)道路わきの古いお墓は、たたら関係の人のお墓である。(十数基の小さい墓石が立っている。)

(金くそ散在地)
二ヶ所の少し手前の、谷川南斜面。
その上に10m×30mくらいの平地あり。


金くそ散在地 
この斜面に大量の金くそが捨てられている。
散在地というよりは、堆積地といったほうがよい。


斜面に大量に転がる金くそ


金くそ
気泡のあるスラグ状のものが多いように見受けられた。


斜面上にある平地
この様な平地が3面あり、それぞれ田として使われていた。

ここで、たたら製鉄(鑪か鍛冶屋か不明)が行われていたとのこと。
明治期以前のことで、お話を伺った方(80代)も見たことはないとのこと。

数人の方に伺ったお話でも、たたらのことはあまり話題となって伝わっていないように思える。親からもあまり話を聞いたことがないという方が多かった。
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金くそは、今では邪魔者で遺跡、遺物としては扱われていない。


庭に敷き詰められた金くそ 砂利と同じ扱い!


土止めに使われた20cmほどの大きな金くそ

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金くそ散在地の特徴
1)南斜面で 道路から遠くないところ(数十mから100mくらい)
2)平地は、広くない (広くても30m×30m )
3)谷川が横を流れている
4)金くそは、斜面に捨てられている

私の家には、山の谷川ですくってきた砂と、拾ってきた金くそがたまってきた。
・・・・・うーん。砂は庭に捨てられるが、金くそは結局は始末に困る邪魔ものになる。重いし!

(08.4.28)(08.5.15)




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