新見市 大井野地区 現地訪問
(08.5.17訪問)

大井野地区の大井野上組地区、、伏谷・君山地区を訪ねた。皆さん、田植えで忙しい中、畦から声をかける私に快く対応してくださった。

(大井野上組地区)
雄山北麓に「大山鑪(だいやまたたら)」があるとのことで、土地の方に聞いてみた。
「だいやま谷」という谷がある。谷の奥には金くそが落ちており、そこで昔たたらが行われていた。大きな「なしの木」があったとのこと。(私は、なしの木がどんな木か実がなってないと分らないのだが。)おおよその場所を聞き、訪ねた。

谷を登ると、田が連なる広い場所がありそのあたりを探してみたが金くそは見つからない。小さな谷川が合流しているところで川に下りて見ると金くそがあった。地形的には、「鍛冶屋谷遺跡」の金くそ捨場と似ている。あたりをつけて、枯れ枝を除くとたくさんの金くそが散らばっていた。


金くそが落ちていた所
三角の土地で、2つの谷川合流地点の上流側になる。写真奥の斜面にたくさんの
金くそが落ちていた。


金くそ
川の中に落ちていた比較的大きな金くそ。林の中のものはもう少し小さいものが多かった。


大井野集落のある谷

(伏谷、君山地区)
「大佐町史」に鉄穴流しの詳細な記述がある。(P566〜574)
まず、伏谷集落で鉄穴流しのことを聞いてみたが、詳しい方が、今山菜取りで出かけているとのことで情報は得られなかった。
町史にいう「ふじわらび」を探して、君山への道を行くと広い平地があった。ブルドーザーで整地をしている。奥に入って見ると、尾根が切れた地形があった。砂鉄採取の跡地かどうかは不明。
このあと、君山集落に入った。


切れた尾根
この下に50m×50mの広い土地がある

「大佐町史」に、君山地区には、「大ガンナ」があり、水路の跡が残っているとの記述有り。昭和50年代の調査なので、もう分らなくなっているだろうと大して期待していなかったが、土地の方に聞くと、「大ガンナ跡」、「水路跡」、「貯水池跡」があるという。大体の場所を聞いて山に入ったが、分らなかった。もっと、上の方らしい。山から出て、見つからなかったことを話すと、80代の土地の元気なおばあさんに笑われてしまった。「上には、井手が3せんあって、きつねの孔も4つあるんだよ。私が杖を突いて案内してやってもいいんだが、あんたにそこまでしてあげるのもねえ。」・・・・・・元気なおばあさん。

(聞き取り内容)
1)鉄穴流しの井手は、このあたりの山の中にはたくさんある。谷川のように、下に流れるのではなく、山を横切っているからすぐ分る。土地の境界になっていることが多く、埋まってわからなくなることが多い。また、鉄穴流しの掘った跡は、埋めてしまうこともある。このあたりの田はカンナ流しで出来た田だ。
2)二子山麓に「七人カンナ」というのがある。昔、山を崩している最中に人が埋まってしまった場所。
3)君山でも、谷の奥でたたらがおこなわれていた。金くそも落ちている。(場所は聞いたが未確認)
たたらで作った鉄は、根雨の近藤家に運んでいた。
4)金屋子神社は、伏谷にある。君山にはない。
5)このあたりでは、小さな谷の源頭部を「サコ」と言い、尾根を「ソネ」という。

(08.5.18 記)




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