新見市大佐町君山地区 現地訪問
(08.6.2 訪問)

大佐町 君山地区は、以前に訪問したがそのとき見つけられなかった「鉄穴井手」を見るために再度訪れた。山に入る断りをし、もう一度山の様子をお聞きした。

山に入るといたるところが崖になっている、砂鉄採取で山を崩したすさまじい様子に目を見張った。さらに山の奥に入ると、尾根に沿う「井手」の跡があった。下山後、堀跡の南に位置するところの金くそ散在地を訪れた。

(大佐町史)
「大佐町史」に、君山地区の鉄穴流しについて、昭和52年7月の調査内容が記述されている。
私が入った山は、下図のちょうど「番の木水路」の文字の、水路が大きく蛇行している「番の木」の字のあたり。

水路の地図 
「大佐町史」上巻 第三節 鉄の生産、 四 砂鉄 P568 

(鉄穴井手)
尾根に沿って巾1mの溝が、数百m続いている。井手=水路は山の斜面をトラバースするものと思っていたが、この溝は尾根の一番高いところに沿ってある。(このような溝は、やぶに埋もれかけているが花見山の山頂から1128m峰への稜線上にあった。石積みで側壁を補強しているところもあり、人工の溝であることは間違いない。さらに、広島県道後山の山頂への登山路にも、石積みで補強をしている溝があった。これらは、井手=鉄穴用水路だったのだろうか。)


鉄穴井手 奥に向かってわずかに低くなっている。・・・これが本当に鉄穴の井手なのか今ひとつ確信がもてないのだが。

この溝を追っていくと、谷のところに行き当たり 直径5mくらいの穴に流れ込んでいた。穴は、大きさは異なるが3、4個あった。




(大ガンナ)
山中、いたるところが崖になっている。地元の方の話では、これが鉄穴流しのために山を崩した跡だとのこと。

崖 山を崩した跡 
これは、斜面になっているが、ほぼ垂直の大きな崖もある。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(金くそ散在地)
地図の谷川の下流部は、谷になっており、棚田が谷奥に向かってある。その一番奥に金くそがあるとのことで、訪ねてみた。金くそ捨場のようなところはなかったが、水路斜面に金くそが多数あった。

     
左図)金くそ 重いもの、軽いものあり。いずれも 磁石つかない。  右図)金くそを拾った水路の上の斜面。

(08.6.4)




戻る