新見市神郷町 油野地区 宮ノ谷川 現地訪問 (08.10.13訪問)(08.10.19訪問) 宮ノ谷川中流に、鉄穴流しの石積みの跡があるというので訪問した。 1)宮ノ谷川中流に、石積みがあった。鉄穴流しに関係したものかどうか不明。 2)宮ノ谷川上流域は、鉄穴流しによる土砂採取と思われる不自然な地形が多い。 3)宮ノ谷川下流、谷の出口手前にかなくそ捨て場があった。たたら製鉄がおこなわれていたと思われる。 関連 高梁川本流域の鉄穴流し (新見市神郷町 油野地区 宮ノ谷川) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (中流の石積み) 石積み 長さ30mほど 上流側から写す。写真の左が山の斜面。右に道路をはさんで、川が流れている。石積みは、一列しかなく、水路のようにはなっていない。単なる土止めの石垣のように見えるが、ここで土止めをしても意味がなくやはり水路の壁の一方なのだろうか。 上の石積みの山側に大量のかなくその山があった。ここで、たたら製鉄がおこなわれていたようだ。 場所は、宮ノ谷川の鎖ゲートの50m上流。 左 かなくその山 かなくそは、気泡のあるコークス状のものが多い。赤茶けた錆色のものも多い。 右 石積みのある所 手前に溝があり、その奥に大量のかなくその山がある。 たたら炉の跡がないか探したが、それらしいものも、炉を思わせるものもない。 (上流域の地形) 上流域の地形 木材伐採の作業場あたり。正面は古い作業道。 上流から中流に見られる左岸の切り立った崖 鉄穴流しの土砂採取のためと思われる。 (谷出口でのかなくそ捨て場) かなくそ捨て場 写真左上に川。上が上流。 かなくそ捨て場に続く広場。奥が川。 ここで、たたら製鉄がおこなわれていたと思われる。 かなくそ 宮ノ谷川出口 川は、写真左の山裾を流れている。田は、圃場整備がなされかっての姿はない。 宮ノ谷川では、鉄穴流しも、たたら製鉄も行われていた。 宮ノ谷川支流(本流の左俣)最上流部に、鉄穴流しの貯水池を思わせる池があった。炭焼きの窯跡かとも思ったが、出口が谷川に直接でているのと、石の変色もないので貯水池と思う。 宮ノ谷川最上流部の池 直径6mほど。深さ1.5m。側壁は、石積みで補強されている。出口溝が写真の左側にあり、すぐ谷川へ落ちている。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− このあと、青笹川を訪問した。青笹川には、かなくそがごろごろしており、川岸の平地のどこを掘ってもかなくそが大量に出てきた。あまりに、簡単にかなくそ捨て場が見つかるので、かなくそを拾っても感激しなくなった。現地の人が、かなくそに全く興味を示さないのがわかる。現地の人にとっては、石ころとかわらない。 油野では、三室川、宮ノ谷川、青笹川のどの川でも 鉄穴流し、たたら製鉄が盛んに行われていたと思われる。 (08.10.15)(08.10.20) |